(ネタバレあります)ひとり反省会


英語の「After Making This Game」と内容はほぼ同じです。

The English version of this dev-log is available as "After Making This Game".

このゲームを作ってから1か月ちょっと、多少考えをまとめたのでなんとなく残しておくことにする。


ツクれたもの、エターナったもの

テイルブリーズがRPGツクールで何かを作ろうとするのは、(大昔に家庭用ゲーム機のツクールで何かやろうとしていたことがあった気がするのを除けば)「試練の神殿」は覚えているだけでも6回目くらいのプロジェクトである。具体的には、

  • 1~2回目、「無題の」ができる前にプロジェクトが2回くらいエターナっている。
  • 3回目、「無題の」が公開にこぎつける。
  • 4回目、「TFして使い物にならなくなった冒険者を使い捨てる」という構想から制作に着手するも、「使い捨てられるくらい無限に冒険者を生成する機能を作れない」という技術的な困難によりすみやかに頓挫する。
  • 5回目、「無題の」と似たようなRPG「無題のTFRPG2」を制作開始、しかし細かな技術的課題と圧倒的な要求物量の前にエターナる。
  • 6回目、主に「無題2」のための技術的な試作を目的として「試練の神殿」を制作開始、完成して公開する。

・・・上を読んで、「試練の神殿ができたから、次は無題2作るんでしょ?」と思うのが自然なはずなんだけど、積みゲーができちゃったし、「冒険者を使い捨てるRPG」もやってみたい気がするし、とにかく次の製作開始まではもうしばらくかかります

人様のゲームをパクりました(再び)

「無題の」がkonoeさんの「エストラの迷宮洞窟」のパクリゲーオマージュであることは、この記事を読んでいる人たちのいくらかは知っているだろうと思う。「試練の神殿」は、同じくkonoeさんの「ジョブ診断もどき」が直接のアイディア元となっている。で、せっかくパクるので、自分にできるところはもっと本格的にやってみようかな、と思ってやってみたところ、

  • エンディングの数を増大。
  • 診断結果ごとに個別のエピローグを追加。
  • なんだか全体的に普通のRPGっぽくなったし、ゲームオーバーができるようになったのでそこにも演出を追加。

・・・と、いろいろやりたいことができたので、そのあたりは満足している。

「"フェチシーンの再生ボタン"じゃない、ゲームを作るんだ」ということ

「ジョブ診断もどき」みたいなやつを作りたくて、それがけっこううまくいったと思っているということは上述の通りであるが、ほかにもやったことがあったので、ここに書いて見せびらかしておきたい。「フェチじゃない部分の作り込み」である。その方がフェチな部分が引き立つと思っているから。

  • できる限り、プレイヤーが取りうる行動すべてに対応する。イベントのバリエーションを常に細かく何通りも用意する必要はないだろうが、プレイヤー側の行動によって状況が変わればそれに対してつじつまを合わせる程度の作業はしている。たとえば、
    • 主人公を変身させる攻撃を確率で使ってくる敵は、既に変身している主人公に対してはその攻撃をしてこない。
    • イベント戦で変身していると、負けたときの展開が変わることがある。
    • ラスボス戦中に主人公が「溜め攻撃」を始めると、その発動までは戦闘強制終了イベントが発生しなくなる。
  • できる限り、適切な難易度にする。難しすぎればプレイヤーはフェチシーンにたどり着けず、たどり着いたとしても疲れきっていてフェチを楽しむどころではないかもしれない。簡単すぎればゲーム体験が味気なくなる。テストプレーとして何周もしているので、自然とバランス調整ができているような気もする(ただし気を抜くと数周分の知識を前提とした難しさになる)。
    • なお、バランス調整の一環として、一部イベント戦で「主人公の能力値に応じて敵の能力値が変動する」という細かい設定があるのだが・・・これは地味過ぎて誰も気づかなかった可能性がある。
  • できる限り、フェチに頼らないゲームの楽しさを目指す。こういうフェチゲーは、多様なシチュを用意するので、どうしても「プレイヤーの好みに合わないシーン」が出てきてしまう。こうしたときに間を持たせられるようにしておくべき・・・理想的には。このゲームがそれをうまくやったかはいまいち自信がないが、できることはやったつもりだ。

最後のガッカリ要素.txt

最初のバージョンには、「最後の隠し要素.txt」と銘打ったテキストファイルがあった。このゲームを少なくとも2周し、普通のプレイではまずやらない操作を要求するため、テキストファイルのなかでも厳重にネタバレ保護したのであるが、実際にはこのネタバレ保護が厳重すぎるために、豪華なイベントを期待し、その結果が普通のゲームオーバー画面だったためにガッカリしてしまうプレイヤーがいた。

このことについては申し訳なく思っている。本当に。なお、現在の最新バージョンである「100_2」では、イベントそのものは変わっていないものの、このファイルを削除して「特殊ゲームオーバーリスト」に統合し、あまり過度な期待をさせないような記述に変更しているので、ガッカリは発生しにくくなったはずである。

こっそり後悔していること

このゲームのイベントは、エンディングの前までは、要するに「RPGの最序盤にたまに見る、主人公の能力値や職業を決めるための性格診断イベント」である。この結果は12通り(ゲームオーバーを除いて)用意されており、有名な「ポケモン不思議のダンジョン」(世代により13通りか16通り)と比べては少ないが、数の上では極端に物足りないというわけでもないはず・・・この12通りが正常に機能してさえいたなら、だが。

実際のところ、ほぼすべてのプレイヤーが、初めてのエンディングではオークかウェアウルフのどちらかになったのではないか、と思われる。つまり、性格診断としての結果は、実質的に2通りしかなかったということだ。というのも、12種類ある結果のうち、残りのすべてが、

  • 通常のプレイでほとんど取らないであろう行動を多用する。または、通常は多用するであろう行動をまったく行わない。(4種類)
  • 2つの試練のうち、主人公にとって苦手な方だけを攻略する。(2種類)
  • 必須戦闘以外でまったく勝利しない。(1種類)
  • 試練の相手より強いボスを倒す。(1種類)
  • 見るからに剣士である主人公を、魔法使いとして運用する。(3種類、うち1種類が「苦手な試練」と重複)

・・・といった、変則的なプレイスタイルを要求するものだからである。

というわけで、「性格診断してたらモンスターに変身させられた」という展開をもっとうまく表現できる余地はあると思うので、やりたい人はやってみてください(他力本願)。そしてできあがったら、もしよかったら見せてください(自分がやりたいだけ)。お願いします(丸投げ)。

テイルブリーズ

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